国際協力志望なら知るべき!JICAと開発コンサルタントの役割の違い

 

こんにちは!開発くんです^^

 

こんな悩みを抱えたことありませんか??

  • 国際協力・国際開発業界にはJICA以外にも開発コンサルタントがいるって聞いたけど、開発コンサルタントって何してるの??
  • JICAと開発コンサルタントの役割って何が違うの??

 

開発くん
正直なところ、開発くんも開発コンサルタントになるまでは全部を理解していませんでした汗

 

国際協力・開発に興味のある学生・社会人は、この辺りの情報を押さえておくと以下のようなメリットが得られます!

  • 国際協力・開発の道に進むうえで、自分のやりたいことを明確化できる。
  • 就職活動で説明会に参加した時に、業務について深い質問が出来るようになる。

 

 

基本のキ:JICA事業はPDCAサイクルに基づく

 

JICAと開発コンサルタントの役割を理解する前に、前提知識としてJICA事業はPDCAサイクルに基づいて行われていることを知っておく必要があります。

※PDCAサイクルとは、事業管理ツールの1つで、PLAN(計画)⇒DO(実施)⇒CHECK(評価)⇒ACTION(行動)のサイクルで事業を回すことです。

 

ビジネスの世界では一般的に使われている(らしい←開発くんはビジネスの世界で働いたことがないため分かりませんw)んですが、JICAでもPDCAサイクルに基づいて事業を行っています。

 

PDCAサイクル全体に関係する組織には大きく3つ(①JICA、②開発コンサルタント、③途上国政府)あり、開発コンサルタントが関与しているのはPDCまでです。

 

なので、今回の記事では、PDCまでを扱います^^

 

 

P(計画):事業の形成・計画

 

JICA事業の形成・計画は、途上国政府がJICAに事業の要請をして初めて始まります。日本のODAでは途上国政府のオーナーシップを非常に重視しており、 JICAは途上国政府の要請がなければ事業を行いません。

 

これが、日本のODAの特徴の1つである「要請主義」と言われるやつですね!制度が正確に運用されているかは別として、その試みは良いですよね~。日本のこういうところ、ほんと素晴らしいです。

 

次に、途上国政府から事業の要請が来ると、JICA側もその事業が本当に実施するのに値するのかを調べる必要が出てきますだって、必要のない、ただやりたいからやるみたいな事業を要請されてたら困りますもんね汗

 

そこで、JICAは開発コンサルタントに調査を依頼して、その事業が実施するに妥当なのかどうかを調べさせます。

 

JICAの公示情報を見ると、「詳細計画策定調査」というのがあると思うんですが、これが技術協力プロジェクトの基となる調査ですね。

例えば、

  • ベトナム国クアンニン省ハロン湾の持続可能なグリーン成長に資する観光振興と環境管理強化のための制度・体制構築支援プロジェクト(詳細計画策定調査支援)
  • スーダン国ダルフール人材育成プロジェクトフェーズ2詳細計画策定調査

というのがあります。

 

調査の結果、要請された事業が妥当であるとなれば、開発コンサルタント側で事業の内容をある程度かためて、JICAへ報告書という形で提出します。

 

この調査結果の報告書は閲覧できるものとできないものがあるんですが、例えば、ニカラグア国の「国家運輸計画プロジェクト」の詳細計画策定報告書は閲覧可能となっています。

 

このように、途上国政府が事業を要請したとしても、「じゃ、すぐにやりましょう!」ということはならなく、まずは開発コンサルタントが調査を行って、しっかりと事業の中身や必要性をJICAは確認していくという流れになっています。

 

その後、JICAは、開発コンサルタントが作成した計画を基に途上国政府と協議を行い、事業を締結することになります。

 

以上が、PDCAサイクルのPにあたる事業の形成・計画段階の内容となっています。

 

読んで分かった方もいるとは思いますが、この段階におけるJICAと開発コンサルタントの役割は以下のようになっていますね!

計画段階におけるJICAと開発コンサルタントの役割

JICAの役割】

  1. 事業の要請の受付
  2. 開発コンサルタントへの調査依頼
  3. 事業に関して途上国政府と協議・締結

 

開発コンサルタントの役割】

  1. 事業の妥当性に係る調査

 

 

 

D(実施):事業の運営・実施

 

先程のP(計画):事業の形成・計画段階では、JICAと途上国政府との間で締結を結ぶまでいきました。このD(実施):事業の運営・実施段階では、実際に事業が進められることとなります。

 

では、事業はどのように実施されるのか?

 

正解は、JICAから委託された開発コンサルタントによって実施されることになります。

 

例えば、皆さんが大好き教育事業ですと、

パレスチナ国の「理数科教育の質改善プロジェクト」では、株式会社コーエイリサーチ&コンサルティングという社会系の大手開発コンサルティング企業が実施することになっています。

 

開発コンサルタントは、事業の中で設定された目標を達成するため、途上国政府と協力して活動を行うことになります。もちろん、事業を円滑に進めるため、必要あれば、JICAの担当者の人とも連携することになります。

 

ここから分かるように、国際協力・開発と聞くと「現地の人と一緒に活動する」をイメージする人は多いと思いますが、それをやっているのはJICAではなく、開発コンサルタントとなります。

ここを勘違いしている人に会うことがあるので、要注意です!!

 

では、JICAは何をしているのか?というと、JICAは事業の管理を行っています。

 

簡単に言うと、事業の管理とは、開発コンサルタントが計画どおりに事業を進めているかを確認・把握することになります。あくまで、事業の予算を出しているのはJICAなので、JICAはその事業が計画どおりに完了するのを見届ける義務が発生しています。

 

というように、事業の実施段階において、JICAと開発コンサルタントの役割は以下のようになっています。

実施におけるJICAと開発コンサルタントの役割

JICAの役割】

  1. 開発コンサルタントへの事業実施依頼
  2. 事業実施の管理

 

開発コンサルタントの役割】

  1. 事業の実施

 

 

C(評価):事業の振り返り

 

ここまでで、事業は計画されて、実施もされたから、これで終わりかなと思う方はいるかもしれません。事業は計画・実施されて終わりかというと、そうではありません。

 

事業に費やされる予算はJICAの予算から捻出されていますが、JICAの予算はどこから捻出されているのか?となると、それは紛れもなく皆さんの税金からです。

 

そのため、JICAは皆さんの税金を使っている以上、事業をやったらやりっぱなしということは出来なく、その事業に対して計画した目標が達成できたのかを「評価」することになっています(ここが開発くんの業務となります。)。

 

評価というのは、その事業が当初立てた計画を立てたかどうかを調査することです。

 

以前から指摘があるように、国際協力・開発の世界では、政治的・社会的・経済的諸要因により、実施した事業が必ずしも現地の役に立っているという保証はされていません(なぜか、自分たちがやる事業は、必ず現地の役に立つみたいに思っている人が多数いますが。。。)

 

現地のために行った事業が現地の役に立たなかったということは、投入した資源(税金、専門家、物資)が無駄になったことを意味しています。

 

そのため、JICAでは、実施中または事業完了3年後以内に評価を行って、その事業が本当に現地の役に立ったのかを調査することになっています。

 

といっても、その調査も開発コンサルタントに委託するんですけどね苦笑

 

JICA公示情報で「事後評価」で検索すると案件情報が沢山出てきます!

知りたい方は⇒こちら!

 

このように評価の段階においても、JICAと開発コンサルタントの役割は以下のようになっています。

評価段階におけるJICAと開発コンサルタントの役割

JICAの役割】

  1. 開発コンサルタントへの評価業務委託依頼
  2. 評価調査の管理

 

開発コンサルタントの役割】

  1. 評価調査の実施

 

 

 

まとめ

 

本記事で伝えたかった「JICAと開発コンサルタントの役割の違い」を簡単にまとめると、

 

JICAは事業・調査の管理を行っていて、

 

開発コンサルタントは事業・調査の実施をしていますよ!

 

となります(簡単すぎですかね苦笑)。

 

簡単なまとめとはなったのですが、このことを理解しておくことは、国際協力・開発業界で就職活動を行ううえで非常に重要です(といっても、開発くんは、この記事以上に理解していたかは不明です苦笑)

例えば、JICAの説明会にいって、事業の実施について詳しく聞いたとしても、有益な情報を得られる可能性は低くなります(上手く答える人もいるとは思いますが。)。事業の実施について聞きたければ、開発コンサルタントの説明会に行った方が効率的です。

 

また、JICA職員・開発コンサルタントと個人的に話す機会があったとしても、上記を理解して聞かなければ、話が噛み合わなくなると思います(相手はそのつもりで話していることが多いからです。)。

 

さらに、自分のキャリアを決めるうえでも重要になるのではないでしょうか。

より現場に近い仕事をしたいのであれば、開発コンサルタントの方が合っていると思います。

逆に、事業全体のマネジメントをしたいというのであれば、JICAに就職した方が良いかもしれません。

 

では、今回はこれにて終わりとします!他に聞きたいことがあれば、「お問い合わせ」からご連絡ください!下へのコメントでも大丈夫です!

 

2 件のコメント

  • コメント失礼します。
    疑問に思っていた点、まとめてくださりありがとうございます。

    しかし、まだ個人的にはODAが実施されるまでの流れを理解仕切れていません。
    それはひも付き援助に関わることです。

    EICネットによると
    「ひも付き援助とは、援助受入国に対し、給与国が行うプロジェクトに対する資材や役務等の調達を限定、要求する援助形式。「タイド援助」とも呼ばれ、その逆を「アンタイド援助」と呼ぶ。現在では途上国に対する先進国の側での市場開放の重要性が求められている。
    DAC(開発援助委員会=Development Assistance Committee)でも2001年5月、後発開発途上国(LDC)向けのODAのアンタイド化をすすめる勧告を採択し、同勧告は2002年1月に発効した。勧告が適用されるのは、技術協力、食糧援助と投資関連技術協力(IRTC)を除く、無償資金協力及び有償資金協力である。」
    と説明されていました。ここで「プロジェクトに対する資材や役務等の調達」とありますが、これは何を意味するのでしょうか。またこの過程にJICAと開発コンサルはどう関わっているのでしょうか。
    今回の記事で教育面での例が挙げられていましたが、教育面は技術協力に分類されるためひも付き援助には該当しないのかもしれませんが、ハードの面ではどうなのでしょうか。ハードの面に強い開発コンサルが日本には多いように感じるので、そのあたりを詳しくお伺いしたいです。
    また中国の援助は、日本に比べ要請から実施までが早い一方、質の低さ、持続可能性や受入国の返済能力を考慮していない点などについて批判がありますが、これは中国に開発コンサルというものがないからなのでしょうか。そもそも開発コンサルは援助国すべてにあるものなのでしょうか。

    長くなってしまい申し訳ありません。
    お答えいただくと幸いです。

  • コメントありがとうございます。また、返事が遅くなり、恐縮です。

    確かに上記で挙げたサイクルは、有償資金協力や無償資金協力というよりかは技術協力プロジェクトに沿ったものに近いと思います。そうなった理由として、開発コンサルは、その名のとおり、どちらかというとソフト面での支援をする企業が多いからです(と理解しています。ただし、金額ベースで考えると、圧倒的にハード面の方が多いです。)。

    有償資金協力についても、以下のように述べますが、そういった企業で働いた経験がないため、あくまでも開発くんが認識している範囲内であることはご承知ください。

    有償資金協力の場合も同じようなサイクルになっています。ただし、有償資金協力の場合、計画策定はJICAから開発コンサルに委託されて行われるものの(Feasibility Studyなど)、事業の実施は資金を借りる被援助国が主体となって開発コンサル(もしくはインフラ企業)に委託することになります。その後の評価については、JICAから開発コンサルに委託して行われることになります。以上のように、技術協力と有償資金協力のPDCAサイクルで異なる部分は、おおむね「実施」のところのみとなります。

    そして、ご関心を持っておられる「タイド援助」についてですが、これは開発コンサル(インフラ企業)を委託する前の選定段階での話と考えていただければと思います。有償資金協力で企業を選定する際には国際競争入札が行われることになっています。そのため、有償資金協力、例えば鉄道案件において、日本のODAで建設しようとしたとしても、日本企業がその国際競争入札に技術面・価格面で勝たなければ、他国の企業が行うことになります。このように、日本のODAであるけれども、他国の企業が行ってもいい場合を「アンタイド援助」と呼ぶわけです。

    では、「タイド援助」にするためには、どうすればいいのか?それは、その国際競争入札の際に、日本企業が有利となるような条件を入れておくということになります。「日本に拠点を置く企業のみ応札が可能」が一番単純な例だと思います(実際にこのような単純な条件があったのかは分かりません。)。他には、日本の企業のみが持つ技術などがあります。上記の記事で挙げていた「給与国が行うプロジェクトに対する資材や役務等の調達を限定、要求する援助形式」とは、そのようなことを指しています。

    この入札の内容に大きく関与しているのがJICA職員(主に在外事務所職員)です。応札する側の企業は、入札内容に関わってしまうと応札できなくなってしまうため、関与することはありえません。

    以上が、有償資金協力のPDCAサイクル及タイド援助の話となります。これ以上については、開発ワーカーになる前に特に知る必要がないと個人的に考えているため、これで終わらせていただければ幸いです。

    中国の開発コンサル事情は全く分からないですが、中国では政府と企業が完全に分離しているわけではなく、また、援助を完全に外交戦略の一つとしてやっているからだと思います。完全に切り離すのは難しいのもあり、少し混同されているかもしれませんが、質が低いというのは企業の問題であり、受入国の返済能力がないのに資金を貸すというのは政府の問題です。

    援助国すべてに開発コンサルがあるかないかという話についても、少なくともアメリカ、オーストラリア、ドイツ、フランスなどなどには開発コンサルは存在しています。

    以上、少しでも参考にしていただければ幸いです。
    今後ともよろしくお願いいたします。

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